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2023年12月20日

1か月超のフレックスタイム制の時間外労働の清算はどうするのか

福岡労務ニュース2024年1月号のタイトルの内容があまりにも不親切でわかりにくかったので、ここで改めて解説します。

フレックスタイム制の清算期間が、1か月以内なら40時間×暦日数(31日、30日、29日、28日のいずれか)÷7が総枠の時間です。7月だと40×31÷7=177.14時間となります。これを超えた時間が時間外労働になります。

さらに清算期間が1か月を超えるフレックスタイム制は、上記総枠とは別に、1か月ごとの枠を設け、その枠を超えた時間も時間外労働とします。算出式は、50時間×暦日数(31日、30日、29日、28日のいずれか)÷7です。この1週平均50時間という数字は、完全週休2日制の場合で所定労働時間が1日8時間、残業2時間(8時間+2時間)×週5日=50時間を想定したとのことです。特定の月に長時間労働を集中させないためのルールです。

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1か月ごとの枠を計算すると、31日の月は221.4時間、30日の月は214.2時間、29日の月は207.1時間、28日の月は200時間です。例えば、清算期間が4月~6月の場合の50時間枠は、4月が214.2時間、5月が221.4時間、6月が214.2時間です。実労働時間が、4月260時間、5月220時間、6月135時間だったとすると、4月は45.8時間オーバーしています。5月と6月は50時間枠に収まっているので時間外労働はありません。

次の3か月の総枠をみます。総枠は40時間×(30日+31日+30日)÷7=520時間です。実労働時間は615時間だったので、615-520=95時間。50時間枠で既に45.8時間分支払っているので、95-45.8=49.2時間が総枠の時間外労働となります。

支払う時期は、4月に45.8時間分、6月に49.2時間ぶんを支払います。

なお、1か月以内の場合は、労使協定の締結のみで労基署への届け出は不要ですが、1か月超の場合は、労使協定の締結と労基署への届け出が義務になります。

福岡労務ニュース2024年1月号の記事を再構成しました。

 

 

 

井上晴司

編集者:井上晴司

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