2020年11月27日
働き方改革の実務 同一労働同一賃金④
今回は均衡待遇を定めたパート・有期労働法8条の法解釈をみていくことにします。
均衡待遇を一言で言うと、「異なって働く者に対してもバランスの取れた待遇を」ということになります。
職務内容、責任、役割期待などにおいて非正規社員が正社員と全く同等に働いている職場というのは一般的ではありません。もちろん、職務の一部が正社員と重なることはあっても、職務の全体、責任、人材活用の仕組み、運用などは、正社員と非正規社員とで明確に区別されているのが普通と言えます。
ですから、職場において現実的に問題になることが多いのは均等待遇よりも均衡待遇の方だと言えるでしょう。
均衡待遇を定めたパート・有期雇用労働法8条は、パート・有期雇用労働者と正社員との間で、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、不合理な相違を設けてはならないとしています。(その対象となる待遇には、基本的にすべての賃金、教育訓練、福利厚生施設、休憩、休日、安全衛生、災害補償、解雇等のすべてが含まれるとされます。)
例えば、役職手当は、それが特定の役職という役割に対して支給するものであるなら、考慮要素は「職務の内容」となり、同じ役職の正社員と非正規社員とで「職務内容」に相違があるかどうかを判断することになります。
均衡待遇を一言で言うと、「異なって働く者に対してもバランスの取れた待遇を」ということになります。
職務内容、責任、役割期待などにおいて非正規社員が正社員と全く同等に働いている職場というのは一般的ではありません。もちろん、職務の一部が正社員と重なることはあっても、職務の全体、責任、人材活用の仕組み、運用などは、正社員と非正規社員とで明確に区別されているのが普通と言えます。
ですから、職場において現実的に問題になることが多いのは均等待遇よりも均衡待遇の方だと言えるでしょう。
均衡待遇を定めたパート・有期雇用労働法8条は、パート・有期雇用労働者と正社員との間で、基本給、賞与その他の待遇のそれぞれについて、不合理な相違を設けてはならないとしています。(その対象となる待遇には、基本的にすべての賃金、教育訓練、福利厚生施設、休憩、休日、安全衛生、災害補償、解雇等のすべてが含まれるとされます。)
そこで問題となるのは、不合理な相違をどのように判断するかですが、考え方は「個々の待遇ごとに、待遇の性質、目的に照らして、適切な考慮要素で判断する。」ということになります。
その際、非正規社員の待遇について、すべての正社員との間において不合理な相違があるか否かを判断することになるので、個々の待遇ごとに比較する正社員が変り得ることに注意する必要があります。
また、「待遇の性質・目的」については、事業主の単なる主観ではなく、客観的な実態を踏まえて判断することになり、「考慮要素」としては、➀職務の内容、②職務の内容・配置の変更の範囲、③その他の事情、などが挙げられ、待遇ごとに適切な考慮要素によって判断することになります。
それぞれの考慮要素の内容を示すと、➀職務の内容は、業務内容及びその業務に伴う責任の程度で、②
例えば、役職手当は、それが特定の役職という役割に対して支給するものであるなら、考慮要素は「職務の内容」となり、同じ役職の正社員と非正規社員とで「職務内容」に相違があるかどうかを判断することになります。
(福岡労務ニュース2020年11月号の記事を再構成しました。)
編集者:井上晴司
最近の投稿
- 割増賃金の計算の基礎から除外できる手当は何か
- スキマバイトの労務管理
- 令和7年4月改正!中小企業の改正育児・介護休業法への対応―育児編―
- お盆休みのお知らせ
- 直前確認!2024年10月社会保険の適用拡大への対応
よく読まれている記事
カテゴリー
- Money (2)
- お知らせ (49)
- その他 (2)
- チャイニーズウイルス (1)
- ニュース (3)
- 健康保険・厚生年金保険 (5)
- 働き方改革推進関連法 (6)
- 副業・兼業 (1)
- 労働安全衛生法 (2)
- 労基法 (5)
- 労災保険 (5)
- 同一労働同一賃金 (8)
- 外国人雇用 (1)
- 大迷惑 (1)
- 年金 (4)
- 懲戒処分 (1)
- 採用情報 (1)
- 法改正 (3)
- 災難 (2)
- 社労用語じてん (2)
- 福利厚生 (2)
- 賃金 (2)
アーカイブ
- 2024年11月 (1)
- 2024年10月 (2)
- 2024年8月 (1)
- 2024年7月 (1)
- 2024年5月 (2)
- 2024年4月 (2)
- 2024年3月 (1)
- 2024年2月 (1)
- 2024年1月 (1)
- 2023年12月 (1)
- 2023年11月 (2)
- 2023年10月 (1)
- 2023年9月 (1)
- 2023年8月 (2)
- 2023年7月 (1)
- 2023年5月 (2)
- 2023年4月 (2)
- 2023年3月 (1)
- 2023年2月 (5)
- 2022年12月 (3)
- 2022年11月 (2)
- 2022年10月 (1)
- 2022年8月 (2)
- 2022年5月 (1)
- 2022年4月 (2)
- 2022年3月 (1)
- 2022年2月 (1)
- 2022年1月 (1)
- 2021年11月 (2)
- 2021年10月 (1)
- 2021年8月 (2)
- 2021年7月 (1)
- 2021年5月 (2)
- 2021年1月 (1)
- 2020年12月 (2)
- 2020年11月 (3)
- 2020年10月 (1)
- 2020年9月 (1)
- 2020年6月 (1)
- 2020年5月 (1)
- 2020年3月 (4)
- 2020年1月 (1)
- 2019年10月 (1)
- 2019年9月 (1)
- 2019年8月 (1)
- 2019年7月 (1)
- 2019年6月 (3)
- 2019年5月 (2)
- 2019年3月 (1)
- 2018年12月 (1)
- 2018年11月 (3)
- 2018年10月 (4)
- 2018年8月 (1)
- 2018年7月 (1)
- 2018年5月 (1)
- 2018年4月 (2)
- 2018年3月 (1)
- 2017年12月 (1)
- 2017年11月 (1)
- 2017年10月 (6)
- 2017年8月 (1)
- 2017年6月 (2)
- 2017年5月 (2)
- 2017年4月 (1)