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2023年2月28日

労災保険の特別加入の方法と保険料

中小事業主の中には労働者と同様の業務に従事するなど、労災保険による保護が必要と考えられる事業主がいることから、労災保険には任意加入できる特別加入制度が設けられています。

対象となるのは、常時使用する労働者が300人以下(金融業、保険業、不動産業、小売業は50人以下、卸売業、サービス業は100人以下)の事業主(法人の場合はその代表者)で、労働保険の事務処理を労働保険事務組合に委託していることが条件になります。

特別加入の手続きについても、労働保険事務組合を通じて所轄の都道府県労働局長に申請書を提出することになります。

補償の対象範囲は、基本的には労働者と同様で、業務上、通勤途上に起因する負傷、疾病、障害、死亡にかかる給付が受けられます。ただし、中小事業主が二つ以上の事業の事業主である場合、特別加入をしていない方の事業で被災しても保険給付は支給されません。また法人の代表者としての業務で被災した場合も同様に補償の対象にはなりません。

特別加入の場合、労働者の賃金に代わるものとして、3,500円~25,000円の16種類の給付基礎日額の中から選んで承認を受けることになります。低い給付基礎日額を選ぶと、保険料も低額となりますが、休業(補償)給付等の給付額も少なくなりますので、適正な額を申請する必要があります。

特別加入保険料の具体的な計算方法は、給付基礎日額を365倍したものを1年間の賃金総額(保険料算定基礎額)として、その額に当該事業における労災保険率を乗じた額が1年間の保険料となります。

既設建築物設備工事業で給付基礎日額を1万円に設定した場合は、1万円×365×0.012=43,800円です。(令和4年度価格)

詳しくは、https://www.f-roumu.com/service.html#s8

福岡労務ニュース2023年3月号の記事を再構成しました。

井上晴司

編集者:井上晴司

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